静電放電がもたらす危険と対策
静電放電(ESD)は、電荷が異なる2つの物体間で一瞬に流れる電流です。日常生活で遭遇する静電はほとんど無害ですが、特定の状況では大量の電荷が発生し、機器の破損や人体への危害をもたらすことがあります。
消費者向け電子機器
静電放電は、回路基板やその他の繊細な電子部品を搭載した機器に対して特に危険です。特にコンピュータは影響を受けやすく、内部部品を扱う際に注意が必要です。メモリカード、グラフィックアクセラレータカード、ハードディスクなどに静電荷が蓄積され、人体や部品に放電すると、低電圧でも部品を焼損させ、修復不可能な損傷を引き起こします。
燃料ポンプ
ガソリン、ディーゼル、灯油などの可燃性液体は、配管内で流れる際に強い静電荷を帯びることがあります。ポンプから車の燃料タンクへ燃料を移すと、静電荷が燃料から発生する蒸気に移り、十分に高い電荷になると、蒸気と空気が混合したときやライターなどの火花があると点火してしまいます。
宇宙環境での作業
乾燥した環境では静電荷が蓄積しやすく、月面や火星などの宇宙空間は静電放電が起こりやすいです。宇宙飛行士が乾燥した表面を歩くと大きな静電荷が体に溜まり、金属装置やドアに触れると大量の放電が起こり、近くの電子機器を故障させ、生命に危険を及ぼす可能性があります。
オゾン生成
酸素が存在する環境での静電放電は副産物としてオゾンを生成します。オゾンは腐食性があり、ゴムや燃料ラインなどを劣化させます。自動車のタイヤはオゾン割れしやすく、燃料ラインが割れるとエンジン室で火災が発生する恐れがあります。また、エンジンの繊細な電子部品も静電蓄積と放電の影響を受けます。
