緑膿菌(Pseudomonas)のコロニー形成における兆候と症状
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は、土壌・水・植物・動物・ヒトに広く分布するグラム陰性桿菌で、病院内感染の主要な原因菌です。入院1週間以上経過した患者で最も頻繁に単離され、尿路感染、菌血症、肺炎などを引き起こします。近年、抗生物質への耐性が増大しており、治療がますます困難になっています。
感染しやすい人
ほとんどの院内感染と同様に、緑膿菌は免疫が低下した宿主を狙います。特に、重度の火傷、がん、エイズ、免疫抑制状態にある患者はリスクが高く、湿潤な環境を好むためカテーテルや人工呼吸器を使用している人にも侵入しやすいです。術後の骨折患者や胃腸系の手術を受けた方でも感染の可能性があります。
コロニー形成の兆候と症状
「コロニー形成」とは、病原体が体内に存在しているものの、まだ症状を引き起こしていない状態を指します。健康な人では外見上の変化はほとんど見られず、免疫が抑制されていない限り自然にコントロールされます。したがって、リスクが高い患者(例:嚢胞性線維症患者)は定期的に検査を受け、必要に応じて予防的に抗生物質が投与されます。
感染時の兆候と症状
感染が成立すると、部位に応じた症状が現れます。共通する特徴として、甘い臭いを伴うことと発熱があります。
- 肺感染(肺炎)― 呼吸困難、痰を伴う咳、発熱、寒気、意識混濁。特に免疫抑制患者や人工呼吸器使用者に多い。
- 心内膜炎― 発熱、倦怠感、心雑音。
- 皮膚・軟部組織感染(壊死性皮膚炎)― 発熱、低体温、広範な紅斑・壊死。特に火傷患者で顕著。
- 尿路感染― 発熱、頻尿、排尿時疼痛、時に悪臭のある尿。
- 消化管感染― 下痢、腹痛、場合によっては髄膜炎へ進行。
- 骨・関節感染― 手術後の持続的な疼痛、腫脹、発熱。
治療法
治療の基本は抗生物質の投与です。経口または静脈内投与が選択され、感染部位と重症度に応じて薬剤と投与期間が決定されます。耐性菌が増加しているため、感受性試験に基づく適切な抗菌薬選択が重要です。
