子どもに与える照明の影響
昔は子どもたちが屋外で過ごす時間が多かったが、現在はテレビ視聴やゲーム、パソコンなど屋内での娯楽を好む傾向が強くなっている。その結果、照明が子どもに与える影響が懸念されるようになった。
健康への影響
ワーレン・ハサウェイ博士は教室での照明実験を通じて、自然光を適度に浴びる子どもは人工照明だけに晒された子どもに比べ、健康状態が良く身長も高くなることを報告している。人工照明が長時間続くと、肥満や体重増加のリスクが高まるだけでなく、むし歯の発生率も上がる可能性が指摘されている。
学習への影響
同博士は、自然光が子どもの学習能力を向上させ、教材の吸収が容易になると述べている。一方、人工照明は学習を妨げるとされ、特に高圧ナトリウム蒸灯は最も悪影響が大きく、これらの光源下では学力テストの得点が最低になる傾向がある。また、ナトリウム灯は欠席率の増加とも関連がある。
自然光の癒し効果
自閉症支援環境の設計で知られる建築・デザイン専門家A.J.パロン=ワイルズ氏は、蛍光灯のハム音が自閉症児にとって不快であると指摘する。一方、自然光は子どもに落ち着きを与え、概日リズムの確立を助け、良質な睡眠へと導く。エリザベス・パントリー氏(『ノークライ・スリープ・ソリューション』著)も「光は子どもの生体時計の‘スタートボタン’を押し、暗闇はメラトニン分泌を促し睡眠ホルモンを活性化させる」と述べている。
人工照明の悪影響を和らげる方法
人工照明環境での影響を軽減する手段として、全スペクトル蛍光灯の使用が挙げられるが、価格が高く入手が難しいこともある。また、光に柔らかい青や緑の色合いを付ける、あるいは部屋の壁色を調整して光を和らげる方法も有効だ。最も効果的なのは、毎日一定時間屋外で自然光を浴びることで、人工照明の影響を実質的に無視できるレベルまで低減できるとされている。
