錫合金と鉛の安全性

組成

古代の錫合金は、主にすずと鉛からなる合金です。すずが銀白色を与え、鉛が強度を高めます。合金中のすずは約90%以上です。

現代の錫合金はすずをベースにしていますが、鉛の代わりに銅とアンチモンを加えて強度を上げています。これにより、鉛の重量や毒性を避けられます。現代の錫合金は「ブリタニア錫」「ブリタニア金属」あるいは単に「ホワイトメタル」とも呼ばれます。標準的な組成はすず約92%、アンチモン7.5%、銅0.5%です。

毒性

鉛は自然界に広く存在し、日常的に接触しても問題はありません。危険なのは体内に取り込んだときです。鉛を含む錫合金からは、特に酸性の食べ物や飲み物と接触した際に鉛が溶出しやすくなります。また、古い錫合金を切断したり溶解したりすると、鉛粉塵や蒸気が空気中に放出され、吸引による中毒リスクがあります。

考慮すべき点

加熱した錫合金容器は、冷たい状態よりも多くの鉛を食品に移行させます。トマト、酢、柑橘類など酸性の食材は特に注意が必要です。

症状

鉛中毒は成人と子供で現れ方が異なります。成人では倦怠感、イライラ、記憶障害が初期症状とされ、重度になるとヘモグロビン障害、けいれん、腎不全、最悪の場合死に至ります。子供では発育遅延、貧血、聴覚障害などが見られます。

リスク

成人が鉛を含む錫合金から摂取した場合、消化管から血流に入るのは全体の5〜10%程度で、単回の摂取で中毒になる可能性は低いです。主に長期間にわたる作業上の粉塵・蒸気吸入が問題です。子供は代謝が活発で発育中のため、同じ量でもリスクが高く、錫合金のアクセサリーを口に入れることで直接鉛に曝露する危険があります。

アドバイス

自宅にある錫合金が鉛を含むか不明な場合は、食べ物や飲み物と接触させず、子供の手の届かない場所に保管してください。切断・溶解などの加工は行わないことをおすすめします。装飾目的で使用する分には、鉛の有無に関わらず安全です。

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