採血(Phlebotomy)の定義

採血(Phlebotomy)は、針を用いて指定された静脈から血液サンプルを採取する医療行為です。古代では「放血」と呼ばれ、病気の治療や予防に用いられました。現在では静脈穿刺(venipuncture)とも呼ばれ、採血技師(phlebotomist)が行います。

静脈穿刺(Venipuncture)

最も一般的な穿刺部位は、肘の前屈部にある中手静脈(median cubital vein)です。穿刺前にはアルコール綿で部位を消毒します。

針は内部に血液が流れるためのトンネルと、血管内に挿入するための斜め先端(ベベル)を持ちます。針を逆さまに保持して静脈に入れます。

血液はシリンジに直接吸引することもありますが、現在は真空採血管(vacuum tube)を使用する方法が主流です。真空管は針の反対側に取り付けられ、内部の負圧で血液を吸い込みます。

穿刺後は、止血と打撲防止のためにガーゼと包帯を用意しておきます。

針のサイズと採血方法

  • 患者の年齢や体格、採血部位に応じて様々なサイズの針が使用されます。指先から血液を採取する「フィンガースティック」は、血糖測定や小児の採血に利用されます。

  • 最も細い「バタフライ針」は、特に乳児や細い静脈を持つ患者に適しています。乳児の場合はかかとからの血液採取(heel prick)も行われます。

輸血のための採血

採血技師は、大量出血や貧血、出血性疾患(例:血友病)、異常な月経出血、妊娠などで輸血が必要な患者から血液を採取します。

検査室への血液サンプル提供

採取した血液は検査技師に送られ、心血管疾患、動脈硬化、血友病、HIV/AIDS などの診断に利用されます。血液検査の結果は医師の診断と治療に不可欠です。

法医学的採血

法医学の分野では、犯罪被害者の血液を分析し、死亡原因や負傷の詳細を明らかにします。採血技師は、血液サンプルが汚染や改ざんから保護されるよう管理します。

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