ヒト回虫(Trichuris trichiura)の生活環と対策

ヒト回虫(Trichuris trichiura)は線形動物門の回虫で、ヒトの腸内に寄生します。CDC(米国疾病予防管理センター)によると、ヒトに見られる回虫の中で第3位に多く、世界で約8億例が感染していると推定されています。感染は主に熱帯地域の衛生環境が不十分な地域や子供に多く、米国では南部での症例が多数報告されています。

感染

土壌中で2〜6週間(環境条件により変動)成熟した卵が形成されます。これらの受精卵を含む汚染された土や食物、手を介して人が摂取すると、卵は小腸で孵化します。

幼虫期

卵から孵化した幼虫は摂取後3〜10日で小腸から大腸へ移動し、成熟と産卵の準備が整うまで大腸内に留まります。

成虫

成熟した成虫は大腸の粘膜に付着し、長さ約4センチメートルに成長します。成虫の寿命は約1年で、先端が細くなる形状から「鞭虫(whipworm)」と呼ばれます。

繁殖

成虫が性成熟すると交尾が始まり、感染から約60〜70日後に雌虫が1日あたり3,000〜20,000個の卵を産みます。これらの卵は便とともに排出され、環境中で再び成熟します。

症状と治療

重度の感染では腹痛、下痢、食欲不振、貧血や蒼白などの症状が現れますが、多くの感染者は無症状です。診断は便検体を顕微鏡で観察し卵の有無を確認します。治療にはメベンドゾールを含む薬剤(商品名:Vermox、Combantrin-1)が用いられます。

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