ニコチンの危険性と依存性
喫煙は直接的・間接的に健康に深刻なリスクをもたらします。その中心にあるのがニコチンです。ニコチンは最も毒性が高い物質ではありませんが、唯一の依存性成分としてタバコ製品に含まれ、禁煙の壁となっています。
ニコチンとは
ニコチンはタバコに含まれるアルカロイドで、根から葉にかけて蓄積され、タバコ重量の約0.6〜3%を占めます。かつては殺虫剤として利用され、現在でも一部の殺虫剤にニコチンやその類似体が含まれています。
依存性
ニコチンは身体的・心理的に強い依存性を持ちます。吸煙により肺に取り込まれたニコチンは、わずか10秒で血流に乗り脳へ到達し、5〜10秒で全身に広がります。30分後には血中から消失し、再びニコチンを欲する状態になります。米国心臓協会は、ニコチン依存は最も断ちにくい依存の一つと位置付けています。
体への影響
ニコチンは心拍数と血圧を上昇させ、血糖値を上げインスリン分泌を促進します。吐き気、発汗、下痢、手の震えといった自律神経症状が現れることもあります。大量に摂取すると痙攣を起こす危険性もあります。
禁煙時の離脱症状
喫煙をやめようとすると、まず「吸いたい」という強い欲求が現れます。ニコチンが体内から抜けると、抑うつ感やイライラ、フラストレーション、怒りといった情緒不安定が起こり、不眠や不安感、心拍数の低下も見られます。集中力の低下や体重増加を経験する人も少なくありません。
ニコチン置換療法(NRT)
ニコチン依存から脱却するために、ニコチン置換療法(NRT)があります。ニコチンガム、パッチ、吸入器、鼻スプレーなど、ニコチンまたは代替物質を含む製品を使用し、徐々に摂取量を減らす方法です。併せて行動変容支援や電話カウンセリング、自己啓発ブックレットなどのサポートを受けることで、禁煙成功率が高まります。
