臭素の安全リスクと取扱い注意点
臭素は揮発性の液体で、非常に強い刺激臭を放ちます。外観は赤褐色で、金属・非金属を溶解させるほどの強い腐食性を持ちます。酸化剤としての性質もあり、木屑などの無機物と反応して高熱を発し、火災の危険があります。日光や湿度の高い空気、熱湯にさらされると、臭素は水素臭素酸(HBr)を生成します。HBrは臭素ほど毒性は高くありませんが、刺激性は残ります。臭素を取り扱う際は、必ず適切な防護服・手袋・保護眼鏡を着用してください。
皮膚への危険性
- 液体・蒸気ともに皮膚に強い刺激を与え、即時の症状が出ないことがあります。そのため、被曝後の治療が遅れ、傷害が深刻化する恐れがあります。
- 症状が現れた場合、潰瘍、 水疱、皮膚の茶色変色が見られ、稀に丘疹や膿疱が生じます。
- 曝露後は、臭素に触れた衣服をすぐに脱ぎ、皮膚を約20分間流水で洗浄してください。少なくとも24時間は症状の有無を観察し、異常があれば医療機関を受診しましょう。
目への危険性
- 臭素蒸気に低濃度でも曝露すると、眼に刺激と激しい痛みを引き起こします。軽度の場合は異常な涙液分泌がみられ、重度では光過敏症になることがあります。
- 眼に接触した場合は、ぬるま湯で約15分間十分に洗眼してください。
呼吸器への危険性
- 臭素水溶液から放出される臭素蒸気を吸入すると、咳や喘鳴から肺線維症、肺気腫といった重篤な呼吸器障害を引き起こす可能性があります。
- 重度の吸入は血中酸素欠乏(低酸素血症)や代謝性アシドーシスを招き、最悪の場合は死亡に至ります。皮膚曝露と同様に、症状は遅れて出現することがあります。
- 臭素蒸気を吸い込んだ疑いがある場合は、直ちに医療機関へ相談してください。
