膝手術後に起こる股関節痛の原因と対策

膝関節の機能

膝は人体で最大の関節で、腱・靭帯・筋肉が複雑に絡み合い、膝蓋骨(パテラ)がその中でレバーとして働きます。その構造上、柔らかい組織が多く不安定なため、怪我や損傷が起きやすく、特にアスリートは生涯のどこかで膝を痛めるリスクが高いです。手術が必要になる場合、膝を支える大腿四頭筋が「シャットダウン」し、リハビリでの回復が必要になります。この期間、歩行時の負荷は膝以外の部位、特に股関節にシフトします。

影響

膝が体重を支えられなくなると、歩行・立位・座位・屈曲時の負荷が他部位に移ります。手術側の膝と同側では脛骨上部や周囲の筋肉に痛みが出やすく、反対側の股関節には体重が偏るため痛みが生じます。さらに、立っているだけでも体が健康な側に体重を移すため、股関節が上方にずれ(アラインメント不良)痛みが増すことがあります。

時間的経過

股関節痛は手術直後にはほとんど現れませんが、理学療法中に顕在化します。杖や装具を使って歩く際の不自然な体重移動が原因で、数日後に痛みを感じることが多いです。痛みが出たらすぐに理学療法士に伝え、適切なエクササイズや関節の調整を受けましょう。股関節の回復は膝の回復と連動しており、膝が強くなるほど股関節への負荷は減少します。

考慮すべき点

手術後24時間以内に歩行する際は、骨盤が片側に傾かないよう意識してください。体は自然に「片脚が上がる」姿勢になるため、意識的に均等に保つことが痛み予防につながります。また、リハビリを急がず、理学療法士の指示に従うことが重要です。膝の手術が関節リウマチや変形性関節症によるものであれば、股関節も同様の疾患が進行している可能性があるため、痛みは同病変が原因の場合があります。

予防・対策

上記のポイントに加えて、術後のリハビリ期間中は抗炎症薬を適切に使用すると効果的です。炎症による腫れが痛みを増幅させるのを抑えることで、股関節への負荷が軽減されます。医師の指示に従い、規則的に服用し、膝の機能が回復したら徐々に減薬してください。膝が十分に強くなれば、股関節への追加的な薬は不要になります。

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