高齢者向け膝関節置換手術の全て
膝関節置換手術の準備
まずは医師による総合的な評価が必要です。麻酔や心臓・呼吸器の問題、他の持病が手術に影響しないか確認します。血液検査やレントゲン撮影も行われ、主治医から手術許可のサインが必要です。手術前に皮膚の傷や感染、虫刺されなどがないかチェックし、理学療法士による評価も受けます。自宅での安全対策として、トイレの座面を高くする、手すりを設置する、杖や歩行器を用意する、介護者の同行やリハビリ施設への入院を検討します。
手術の流れ
膝関節置換術は約2時間で行われ、損傷した軟骨と骨を除去し、金属またはプラスチック製の人工関節を装着します。症例に応じて全膝置換または部分膝置換が選択されます。手術後は回復室で1〜2時間過ごし、一般病棟へ移ります。入院期間は3〜4日で、術後すぐに理学療法が開始され、関節の可動域回復が重要です。血栓予防のために抗凝固薬や圧迫ストッキングが処方されることがあります。退院後はリハビリテーション施設で20〜30日間過ごすか、在宅で週数回の理学療法を1か月以上続けます。
高齢者の予後
高齢者では術後合併症(血栓・感染など)が約17%、4週間以上続く疼痛が約38%報告されています。回復期間は平均1か月で、日常生活のサポートが必要になることが多いです。手術後1年で変形性関節症による痛みが大幅に軽減されます。人工関節の寿命は10〜15年とされ、通常は高齢者の残りの寿命に相当します。
