乳房切除手術の副作用と対策

乳がんの治療として行われる乳房切除手術(乳房全摘)は、がんの除去だけでなく、術後に様々な身体的・精神的副作用が伴うことがあります。手術後に何が起こるかを知り、医師や看護師の指示に従うことで回復を早められます。

手術の概要

乳房切除は、乳がんや乳がんの家族歴が強い場合に乳房全体を取り除く手術です。単純乳房切除では、乳房本体に加えて皮膚や乳頭、場合によっては腋窩のリンパ節も除去します。

痛み・締め付け感

手術後は乳房部位や腕・肩に痛みや締め付け感が生じやすいです。リンパ節を摘出した場合、特に痛みが強くなることがあります。痒み、圧迫感、ズキズキ感、チクチク感など様々な感覚が報告されています。皮膚と乳腺組織の間の小さな神経が切断されることで神経可塑性が起こり、痛みが生じます。痛みの程度は必ず医師に報告し、適切な疼痛管理を受けましょう。

リンパ浮腫(リンパ腫)

腋窩リンパ節を除去した場合、腕のむくみ(リンパ浮腫)が起こります。米国国立がん研究所によると、全摘+リンパ節除去を受けた女性の約15%がリンパ浮腫を経験します。早期発見と圧迫療法が重要です。

感染症

手術部位に感染が起きた場合は、抗生物質での治療が必要です。感染は赤み(蜂窩織炎)や膿のたまり(膿瘍)として現れ、場合によっては外科的ドレナージが必要になることもあります。感染率は低いですが、異常を感じたら速やかに医師へ相談してください。

術後の傷跡

切除部位には傷跡が残ります。傷跡の見た目は手術方法や個人差によります。術前に担当外科医から予想される傷跡の形状やケア方法について説明を受けましょう。

液体貯留(血清腫)

手術後に創部周囲に液体がたまることがあります(血清腫)。通常は数週間で自然に吸収されますが、量が多い場合や不快感がある場合はドレナージが必要です。ドレーンは腋窩や乳房下に設置され、定期的に内容量を記録し、満杯になったら排出します。異常があればすぐに報告してください。

精神的・その他の副作用

乳房は女性らしさやセクシュアリティと結びつくため、乳房切除後に自己イメージの低下や不安、抑うつを感じることがあります。また、体重増加、乳房の感覚過敏、筋肉のこり、関節痛なども報告されています。これらの症状は日常生活や趣味活動に支障をきたすことがありますので、カウンセリングやリハビリテーションを活用し、適切なサポートを受けましょう。

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