植込み型除細動器(ICD)の手術手順
植込み型除細動器(ICD)は、心臓の不整脈を検知し、必要に応じて電気ショックで正常リズムに戻す装置です。ICDの植込み手術は、術前準備、モニタリング、ジェネレーターとリードの挿入、そして装置のテストとプログラミングの4段階で構成されます。
術前準備
手術前に抗生物質を静脈点滴で投与し、感染予防を行います。胸部は毛を剃り、消毒液で洗浄します。手術部位は滅菌シートで覆い、手が触れないようにソフトストラップで固定します。
鎮静剤や鎮痛剤も点滴で投与し、患者は覚醒したままでもリラックスした状態で手術に臨めます。医師は局所麻酔を行い、手術部位の感覚を遮断します。
モニタリング
手術中・術後は複数のモニタリング装置で患者の状態を常時観察します。心拍数はペースメーカー用パッチ、心電図はECGパッチで測定し、血圧と血中酸素濃度もリアルタイムで記録します。リードの位置確認には透視(X線)を使用します。
手術(ジェネレーター・リードの挿入)
外科医は胸部に約2〜3インチ(5〜7.5cm)の小切開を行い、ジェネレーターを入れるポケットを作ります。その後、静脈を通じてリード(電極)を心筋まで導入し、X線画像で位置を確認しながら心筋に固定(フックまたはスクリュー)します。
リードは「ペーシング」テストで機能を確認し、必要に応じて調整します。テスト中は患者は麻酔状態です。リードのもう一端はジェネレーターに接続し、切開部は縫合して完了です。
テスト・プログラミング
手術後に鎮静薬を投与し、ICDの機能テストを実施します。心拍数を意図的に上げ、ICDがショックを送って正常リズムに戻すか確認します。必要に応じて、患者が覚醒した状態でテストを行うこともあります。
取得した測定データを基に、ICDの検知感度やショックエネルギーなどのパラメータをプログラミングします。胸部X線でジェネレーターとリードの位置、肺の状態を再確認し、心電図で心電位を記録します。術後はフォローアップ診察を予定します。
