臓器提供の理由とその社会的意義
臓器提供は命を救うだけでなく、真に利他的な慈善行為の一つです。また、違法な「移植ツーリズム」の抑制にもつながります。提供された臓器は重篤な病気や事故で苦しむ人々の生活を取り戻し、提供者は死後もその寛大さで語り継がれます。
命の贈り物
臓器を提供すれば、他者に生きるチャンスを与えることになります。米国臓器共有ネットワーク(UNOS)のデータによれば、米国内だけで45万件以上の命が臓器移植により救われています。英国でも毎年約1,000人が臓器提供待ちで死亡しています。
利他的な慈善
辞書が定義する「慈善」とは「困窮や苦しむ人への寛大さ・助け」のことです。移植待機者はまさにその対象です。米国保健福祉省の統計(2007年)では、腎臓移植待機リストに48,773人が登録されていました。腎不全は臓器機能の低下や致命的な不整脈、昏睡状態を招くことがありますが、1つの腎臓を提供するだけで、これらの苦しみから他者を救うことができます。
移植ツーリズムの抑制
移植ツーリズム(医療ツーリズム)とは、先進国で手に入らない臓器や高額な費用が原因で、第三世界や開発途上国へ渡り臓器を購入する行為です。ロバート・J・ストラッタ医師は、移植ツーリズム患者は「急性拒絶反応や重篤な感染症の発生率が高い」と指摘しています。
このような不正取引は、臓器提供者となる貧困層の命を危険にさらし、適切な医療設備やアフターケアが欠如した状態での移植を助長します。また、移植記録が不十分なため、受取人の後続治療が困難になることもあります。合法的な臓器提供が増えれば、移植ツーリズムへの需要は自然と減少し、結果として提供者と受取人双方の命が守られるでしょう。
