ベチバー(ベチバー草)とは何か?
ベチバーは高級香水の原料から土壌・水の保全まで、さまざまな用途で利用される多機能な植物です。
機能
ベチバーは根から抽出される甘く土のような香りが特徴で、エッセンシャルオイルとして利用されます。このベチバーオイルは西欧の香水の約90%に使用され、アロマキャンドルや線香にも広く使われています。
歴史
ベチバーは古くから薬草として南アジアやアフリカの民間療法に用いられてきました。インドでは、暑い夏に家の床や壁にベチバーの根を編んだマットを敷き、室内を涼しく保ちます。また、ベチバーの小袋を水に入れて風味付けする習慣もあります。
識別方法
ベチバーは高さ1.5メートルまで成長し、幅1メートル以上の密集した群生を形成します。細長い葉と紫色の小さな花が特徴で、根は水平に広がるのではなく、2〜4メートル深く垂直に伸びます。
分布
インド原産のイネ科草本で、タミル語では「Khus(クス)」と呼ばれ、英語圏では「cuscus grass」とも呼ばれます。現在はハイチ、ジャワ島、レユニオン島などでも栽培され、世界各地で利用されています。
利点
ベチバーは侵略性がなく、自生しやすい植物です。深い根系により、熱帯や亜熱帯の斜面、稲作田、河岸の侵食防止に優れています。密集した根茎は余剰水の流出を抑え、土壌保全に大きく貢献します。これらの特性を活かした「ベチバーシステム」は、土壌と水の保全プロジェクトとして世界中で実施されています。
