サブリミナルメッセージのプラスとマイナスの影響

サブリミナルメッセージとは、視覚や聴覚の閾値以下で提示される画像・音声・言葉のことで、意識的には認識できなくても無意識に影響を与えるとされています。イギリスでは使用が違法とされるほど議論が分かれますが、米国では合法です。

ポップコーン販売への影響

サブリミナルメッセージがポップコーンの売上に影響を与える可能性があります。

1957年、ジェームズ・ヴィカリーはニュージャージー州の映画館で「Drink Coca‑Cola」や「Hungry‑Eat Popcorn」といった極短時間のメッセージを映し出し、ポップコーンとコカ・コーラの売上が18%上昇したと主張しました。後にこの研究は規模が小さく信頼性に欠けると認められ、ヴィカリー自身も演出だったと告白しました。しかし、以降世界中の心理学者がサブリミナル効果の検証に取り組み、広告業界でも未だにこの手法が利用されていると噂されています。

サブリミナル学習

サブリミナル学習は無意識に情報を届け、行動や記憶に影響を与えるとされています。

「睡眠中に中国語を学べる」や「努力せずに体重が減る」などを謳う企業が多数存在します。これらは、無意識のレベルで情報を提示すれば、本人が学んでいることに気付かずに習得できるという考え方に基づいています。2008年にロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの神経学研究所が実施した実験では、人間はサブリミナルな手がかりを認識し、報酬が与えられた際に正しく利用できることが示されました。つまり「サブリミナル学習」は成立し得るとされますが、言語習得や体重減少への実効性は依然として議論の的です。

態度変容への利用例

「rats(ネズミ)」という単語が潜在的に態度を操作するために使用された例。

1992年の研究では、被験者に対しネガティブな写真を一瞬だけ提示した後で普通の人物の写真を見せると、被験者はその人物が怒っている、嫌な人だと誤認することが確認されました。この手法は、1990年代の共和党全国委員会(RNC)の広告でも利用されたとされ、民主党のアル・ゴア氏の医療保険案に批判的なメッセージの直前に「rats(ネズミ)」という語が極短時間でフラッシュされたという報告があります。

長期的なダメージは確認されていない

現在の研究では、サブリミナルメッセージが長期的に行動を変える証拠はありません。

2006年にヨーク大学グレンドン・カレッジが行ったレビューでは、既存の研究を総合的に評価した結果、サブリミナルメッセージが永続的に行動や動機付けを変えるという実証的根拠は見つかりませんでした。たとえば「thirsty(渇いた)」という語が一瞬だけ目に入った場合、一時的に渇きを感じることはあるものの、その効果は数分程度で薄れると考えられています。

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