関節リウマチに効く太極拳
太極拳の歴史ハイライト
太極拳(Tai Chi Chuan)は「至高の拳」とも呼ばれ、中国で武術および自己防衛の体系として起源を持ちます。文献によれば、17世紀に蒋発(チャン・ファ)という人物が「忍耐太極拳」を創始したとされています。その後、太極拳は様々な流派に分化し、主に陳式、楊式、呉式が知られています。20世紀初頭に孫祿堂が創始した孫式は、八卦拳、形意拳、拳術などの「内家拳」の要素も取り入れています。
特徴
関節リウマチは関節の炎症性疾患で、手首や手の関節に対称的な疼痛が特徴です。足や膝の関与は比較的少なく、炎症により軟骨が破壊され関節機能が低下します。また、心血管疾患や腎臓疾患など全身性の合併症も見られます。治療は主に抗炎症薬や鎮痛剤が用いられ、重症例では化学療法が最後の手段となります。受動的・能動的な運動療法は治療において重要な役割を果たします。
考慮事項
太極拳は健康増進への効果が注目されており、ハーバード・マガジン・オンライン(2010年2/3月号)でも取り上げられました。1996年のWolfによる研究では、バランス機能の向上が報告されています。また、Lee Heah‑Young・Lee Keum‑Jaeらは2008年に、太極拳(孫式)を実施した変形性膝関節症患者で、疼痛・こわばり・バランス・膝関節可動域の改善を示しました。これまでの研究では、太極拳が変形性関節症や高齢者の機能向上に寄与することが示唆されています。
関節リウマチに関する研究
リウマチに対する太極拳の効果はまだ結論が出ていません。2005年にC. Wangらが行いRheumatologyOxfordJournals.orgに掲載したパイロット研究では、"…太極拳は機能クラスIまたはIIのリウマチ患者にとって安全で有望な補完療法である可能性がある"と報告されました。しかし、既存の研究は方法論に課題があります。M.S. Lee、M.H. Pittler、E. Ernstによる文献レビューでは、"対象となったランダム化比較試験(RCT)の方法学的質は低く、無作為化、盲検化、割付の詳細が報告されていなかった"と指摘されています。
まとめ
関節リウマチは慢性疾患であり、薬物療法に加えて多様な治療が必要です。過度な負荷を伴わない運動による関節可動域の確保は重要な要素です。現時点で決定的なエビデンスは不足していますが、太極拳は代替的な運動療法として検討できます。ただし、他の運動と同様に、医療専門家の指導・監督のもとで行うことが推奨されます。
