骨肉腫(オステオサルコーマ)の概要と最新情報
概要
骨肉腫(オステオサルコーマ)は、骨にできる悪性腫瘍です。全ての年齢で発症しますが、特に10〜30歳の若年層に多く見られます。主な症状は骨の痛みや腫れで、夜間や運動時に痛みが増すことが特徴です。早期に診断され、腫瘍が外科的に除去可能な場合、治癒率は約75%に達します。
重要性
骨がん全体は稀ですが、骨肉腫は骨がん症例の約3分の1を占めます。米国では年間約900例が新たに診断され、そのうち約400例が小児・青年です。15歳前後が診断の平均年齢で、男女差は思春期以降に男性でやや高くなります。
特徴
骨肉腫細胞は正常な骨芽細胞と同様に骨基質を産生しますが、形成される骨は脆く折れやすいです。主に長骨の遠位端(大腿骨)や近位端(脛骨)に発生し、約80%がこれらの部位に集中します。腫瘍は増殖速度や細胞分裂の程度により、低悪性度・中悪性度・高悪性度に分類されます。
原因
家族性に発症することがあり、特に網膜芽細胞腫抑制遺伝子(RB遺伝子)の変異がリスクを高めます。しかし、米国がん協会によれば、ほとんどの骨肉腫はDNA変異によらないとされています。
症状
腫瘍部位に圧痛、腫脹、紅斑が出現し、関節の可動域が制限されることがあります。歩行時の跛行や、腕・脚を上げたときの痛みも典型的です。痛みは夜間や運動時に増強し、場合によっては日常的な動作で骨折が起こることもあります。持続的な骨の痛みや腫れがある場合は血液検査とX線検査で評価し、必要に応じて整形外科腫瘍専門医による生検が行われます。
治療
診断確定には外科的生検が必須です。治療は主に手術による腫瘍除去と全身化学療法の併用です。化学療法薬としてはドキソルビシン、メトトレキサート、シスプラチンが中心で、場合によってはイホスファミドが加えられます。手術は腫瘍切除や場合によっては四肢切断が行われますが、約80%の症例で四肢温存手術が可能です。放射線療法は骨肉腫にはあまり用いられません。
予後
予後は腫瘍のサイズ・部位・ステージ・患者年齢・腫瘍の細胞型・血液検査の結果など複数の要因に左右されます。米国国立がん研究所によれば、全体の5年生存率は約65%です。局所制御が可能な骨肉腫の治癒率は約75%ですが、転移が認められる場合は30%以下に低下します。脊椎など切除不可能な部位に発生した場合、根治は困難です。
