エンヘルトは乳がんにどのように作用するのか
エンヘルト(トラスツズマブ デルクステカン)とは
エンヘルトは抗体薬物複合体(ADC)で、HER2受容体を標的とした乳がん治療薬です。抗体ががん細胞表面のHER2に結合し、細胞内に取り込まれると、結合された細胞毒性薬が放出されがん細胞を死滅させます。
適応疾患
米国食品医薬品局(FDA)は、以下の患者にエンヘルトの使用を承認しています。
- 他のHER2標的薬で治療を受けた後のHER2陽性乳がん患者
- 既に化学療法を受けたHER2低発現乳がん患者
投与方法と用量
エンヘルトは静脈注射(IV)で、3週間に1回投与します。標準用量は体重1kgあたり5.4 mgです。
主な副作用(頻度が高いもの)
- 吐き気・嘔吐
- 倦怠感
- 下痢
- 脱毛
- 好中球減少症
- 貧血
- 血小板減少症
- 皮疹
- 注射部位反応
重篤な副作用
- 間質性肺疾患(ILD)
- 心筋症
- 肝障害
- 腎不全
- 注入反応
- 腫瘍崩壊症候群
禁忌事項
以下の患者にはエンヘルトは禁忌です。
- トラスツズマブまたはデラックステカンに対する既知のアレルギーがある方
- 間質性肺疾患や心筋症の既往がある方
まとめ
エンヘルトはHER2陽性乳がんに対する有望な新規治療オプションです。臨床試験で有意な効果が示されており、比較的良好な忍容性が報告されています。
