婦人科腫瘍学とは
婦人科腫瘍学は、女性の生殖器系に発生するがん、いわゆる「女性がん」の研究・診療を行う医学分野です。婦人科腫瘍専門医は、産科・婦人科の資格を持ち、がん治療に特化した追加研修を受けた医師です。対象となるがんは子宮、卵巣、膣、外陰部、子宮頸部のがんや、妊娠中に発生する胎盤性疾患(栄養細胞腫など)です。
がんとは
正常な細胞は一定のライフサイクルを持ち、増殖・機能・アポトーシス(プログラムされた細胞死)を繰り返します。がん細胞はこのアポトーシスが機能せず、死なずに増殖し続け、腫瘍(塊)を形成します。腫瘍は周囲組織に浸潤したり、遠隔部位へ転移したりすることがあります。
リスク要因
- 家族歴(がんの既往)
- ホルモン補充療法の使用
- 喫煙
- 出産経験の有無(出産経験がない、または5人以上の出産)
- ヒトパピローマウイルス(HPV)感染
- 肥満
- 経口避妊薬を5年以上使用
- 過去の他部位がんの既往
主な症状
がんの部位により症状は異なりますが、共通して以下のような症状がみられます。
- 骨盤部の痛み
- 排尿時の痛み
- 性交時の痛み
- 膣分泌物の増加
- 月経過多、月経間の出血、妊娠中の出血、閉経後の出血
卵巣がんに特有の症状としては、吐き気、便秘、ガス、膨満感、腹部の膨張、倦怠感、腹部・骨盤・脚・背部への圧迫感などがあります。
治療法
主な治療は放射線療法、化学療法、手術(腫瘍や卵巣・子宮などの摘出)です。多くの場合、2種以上の治療を組み合わせます。治療選択は腫瘍の部位、患者の年齢・全身状態、転移の有無などに基づきます。
治療を選択する際の考慮点
すべての治療には副作用が伴い、効果とリスクを比較検討する必要があります。また、治療によっては不妊になる可能性があるため、将来の妊娠希望について医師と十分に相談することが重要です。
