神経芽細胞腫の治療法と予後
神経芽細胞腫は、交感神経系の神経細胞が胎児期に異常に増殖し、がん化したものです。小児がんで2番目に多く、通常は2歳までに診断されます。早期に発見し、広範囲に転移する前に治療すれば、完治が可能です。
定義
交感神経系は心拍や血管、内臓の平滑筋など、意識的に制御できない機能を司ります。その神経節は副腎や腹部に分布し、胎児期に一部の神経細胞が正常に成熟しないと、未熟な細胞が残り腫瘍を形成します。
症状は腫瘍の部位や転移の有無により異なりますが、最初はしこりとして触れ、次第に顔面や喉、脚などに腫れが出ることがあります。
予後
予後は年齢、腫瘍の部位、増殖速度、ステージなど複数の要因で決まります。診断時の年齢が高いほど、腫瘍が広がる時間が長くなるため、予後が悪くなる傾向があります。
ステージ分類
診断には生検、CT、MRI、X線、超音波などが用いられ、組織学的所見や遺伝子情報から腫瘍の増殖速度や転移の有無を評価します。これらの情報を基に、腫瘍の広がりと手術での切除率に応じてⅠ〜Ⅳの4段階に分類し、低リスク・中リスク・高リスクに区分します。低・中リスクは治癒率が高く、高リスクは治療が困難です。
治療法
ステージとリスクに応じて手術、放射線療法、化学療法の組み合わせが選択されます。低リスクの場合は腫瘍を完全に切除すれば手術後は経過観察で済みます。中リスクは手術後に12〜24週間の化学療法を行い、必要に応じて放射線療法を追加します。高リスクでは手術・放射線・化学療法を全て組み合わせ、さらに高用量化学療法+幹細胞移植が行われることがあります。
臨床試験
新たな治療法の研究は進行中で、モノクローナル抗体、高用量化学療法+幹細胞移植、がん細胞の増殖を抑制する新薬などが検証されています。参加をご希望の場合は小児腫瘍専門医に相談するか、ClinicalTrials.govで募集中の試験を検索してください。
