癌磁気療法
米国がん協会によると、今年は1100万人以上のがんサバイバーが誕生日を迎えるとされています。彼らは数々の研究や治療法のおかげで闘病を乗り越えてきました。その中で、一部のがん患者が注目している議論の的となっている治療法が「磁気療法」です。
歴史
磁気を用いた癒し効果への関心は古代からありましたが、1970年代にアルバート・ロイ・デイビス博士が磁場が生体に影響を与えると主張したことで本格的に広まりました。デイビスは磁石ががん細胞を死滅させる可能性があるとまで語り、当初は日本や中国で実践され、近年では米国でも産業規模が数百万ドルに達しています。
仕組み
磁気療法の支持者は、磁石の負極が体内の酸性度を下げ、がん細胞の増殖を抑えると主張します。酸性環境ががん細胞に有利と考えられるため、酸性度が低い状態ではがんの進行が抑制され、場合によっては逆転する可能性があるとされています。
使用方法
磁石は直接皮膚に貼付したり、ジュエリーやパッチ、磁気シューズ、磁気ブランケットなど様々な形で装着されます。装着時間は医師の指示により異なります。
科学的根拠
磁気療法を支持する声はあるものの、信頼できる科学的エビデンスはほとんどありません。実施された研究は規模や期間が限られており、多くは磁石とプラセボの差が認められないと結論付けています。がんに特化した磁気療法の研究は現時点で存在せず、医療専門家の多くはこの治療法を根拠のないものと見なしています。
危険性
主なリスクは二つあります。第一に、磁気療法だけに頼り、標準的ながん治療を拒否した場合、治療効果が期待できないため死亡リスクが高まります。第二に、ペースメーカーを装着している患者は磁石が機器の動作を妨げ、深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。
