化学療法が毛包に影響する理由
細胞周期とは
化学療法が毛包に及ぼす影響を理解するには、細胞とその増殖過程を知ることが重要です。がん細胞や毛包細胞は頻繁に分裂し、元の細胞がコピーを作り、死んでいきます。細胞増殖は5つの段階を経て、最終的に元の細胞と同等の機能を持つ新しい細胞が生まれます。
細胞周期の各段階
- G0期:休止状態。分裂や増殖はまだ始まっていません。
- G1期:細胞が大きくなり、たんぱく質合成が活発になる段階(約18〜30時間)。
- S期:DNAが複製され、元の細胞と同じ遺伝情報が新しい細胞に受け継がれる段階(約18〜20時間)。
- G2期:DNAのチェックと分裂準備が行われる段階(約2〜10時間)。
- M期:実際に細胞が二つに分かれる有糸分裂(約30〜60分)。
毛包細胞と化学療法
化学療法薬は主にS期やM期にある細胞を標的にし、細胞の増殖を阻害します。がん細胞は常に増殖しているため効果的ですが、同じく増殖が速い毛包細胞も同様に影響を受けます。その結果、毛包細胞は分裂できず、毛髪の成長が止まります。
脱毛はいつ起こるか
通常、化学療法開始から約2週間で脱毛が始まります。毛包細胞が増殖に失敗したサインとして、頭皮のチクチク感や痛みを感じることがあります。強い薬剤の場合、脱毛は始まってから3〜7日で完了し、健康な毛包細胞が残っていない状態になります。脱毛は永久的ではなく、治療が終了すれば毛包細胞は再び増殖し、髪は再び伸び始めます。
脱毛への対処法
脱毛を止めることはできません。頭皮を冷やすアイス療法などは、がん細胞への薬剤効果を低下させる恐れがあるため、行わないようにしてください。
