がんがもたらす意図しない急激な体重減少の原因と対策
はじめに
がん診断時に意図しない急激な体重減少はよくある問題です。主な原因と対策を解説します。
がんと体重減少の関係
がん患者の31%~87%が意図しない体重減少を経験すると報告されています。
脂肪と筋肉の両方が失われる「がんカヘキシア」は、代謝異常が主な要因です。
がん種別による違い
- 膵臓・食道・胃がんでは診断時に体重減少が見られる患者が最大80%に達します。
- 肺がん患者の約60%が診断時に体重減少を報告しています。
治療が引き起こす体重減少
放射線療法や化学療法は食欲低下を招き、吐き気、口内炎、味覚変化などの副作用が食事摂取を妨げます。
がん以外の原因
内分泌疾患、消化器疾患、感染症、精神疾患なども意図しない体重減少の原因となります。
体重減少の評価基準
米国がん協会は、1年で体重の5%以上(例:体重160ポンドの人で8ポンド)または1週間で3ポンド以上の減少がある場合は医師の診察を勧めています。
10ポンド(約4.5kg)以上の急激な減少はがんの初期サインになることがあります。
治療・管理法
必要に応じて食欲刺激薬や抗カヘキシア薬が処方されます。代表的な薬剤は以下の通りです。
- プロゲステロン類似体(メゲストロール酢酸エステル:Pallace、Ovaban)
- 副腎皮質ステロイド
- 膵酵素製剤(リパーゼ)
- メトクロプラミド(Reglan)
- ドロナビノール(Marinol)
がん関連の体重減少に特化した承認薬は現時点でありませんが、臨床試験で新薬が検討されています。
栄養と運動の重要性
個別に設計された栄養指導と運動プログラムは、除脂肪体重(筋肉量)の維持に不可欠です。早期介入が効果的です。
嚥下障害への対応
食道がんや頭頸部がんで嚥下困難がある場合、経腸栄養チューブや静脈栄養が選択されます。
まとめ
急激な体重減少はがんの進行や治療副作用のサインです。適切な栄養管理と早期の医療相談が、身体的・精神的な回復を支えます。
