化学療法はいつ発明されたのか?
化学療法の起源
化学療法とは、がん細胞を抑制・除去するために薬剤を使用する治療法です。その起源は第二次世界大戦中の化学兵器研究に遡ります。
窒素マスタード(マスタードガス)
窒素マスタードは第一次世界大戦後に発見された化学兵器で、戦闘で使用されました。皮膚や粘膜に深刻な化学熱傷を引き起こしました。
血液細胞への影響
米国防総省は、窒素マスタードに曝露された人々の白血球数が著しく低下することを確認しました。この現象から、血液中に投与すればがん細胞を抑制できる可能性が示唆されました。
臨床試験:ギルマンとグッドマン
アルフレッド・ギルマンとルイス・S・グッドマンは、米防衛省の依頼で窒素マスタードをがん患者に投与する実験を行い、1940年代半ばに進行性リンパ腫患者で一時的な改善を確認しました。
抗葉酸薬の開発
1940年代後半、シドニー・ファーバーとハリエット・キルテは、葉酸代謝を標的にした薬剤の研究を開始しました。その結果、アミノプロテイン(アミノフェン)やアミノテレイン(メトトレキサートの前駆体)といった抗葉酸薬が開発され、特に小児白血病の増殖を抑制しました。
メトトレキサートによる腫瘍治療
1956年、ロイ・ハーツとミン・チュイ・リーはメトトレキサートの抗腫瘍効果を報告し、胚細胞腫瘍の根治例として史上初の化学療法成功例となりました。
現在の化学療法の位置付け
米国がん協会によれば、化学療法はがん治療の第一選択肢として広く用いられています。現在では100種類以上の抗がん剤が承認され、組み合わせ治療や標的療法と併用されることが一般的です。
