肺がん手術後の合併症と対策
肺がんの早期段階では手術が主な治療法となります。ステージIIの患者では、手術後に化学療法や放射線療法が併用されることが一般的です。手術では腫瘍とその周囲の正常組織を一定のマージンを取って切除しますが、さまざまなリスクや合併症が伴います。
肺がん手術の種類
楔形切除(ウェッジリセクション)― がん組織の一部と周囲の正常組織を小さく切り取ります。
肺葉切除(ロベクトミー)― 肺の一葉全体を取り除きます。
全肺切除(肺全摘)― 病変が広範囲の場合、肺全体を摘出します。
手術時に胸部のリンパ節を採取し、がんの転移があるかどうかを検査することもあります。リンパ節にがんが認められた場合は、他の部位への転移リスクが高いと判断されます。
手術リスク
大手術に共通するリスクとして、出血や創部感染があります。感染が起こった場合は抗生物質で治療し、過度の出血を防ぐために術中・術後の管理が徹底されます。
呼吸困難
手術後に息切れを感じることは珍しくありません。時間とともに肺組織が拡張し、呼吸は徐々に楽になります。
胸部・腕の痛み
手術部位の胸筋や、手術側の腕に痛みが残ることがあります。肋骨を広げて肺にアクセスするため、切開部が長期間痛むことがあり、約6週間は活動制限が必要です。
理学療法により筋力と柔軟性を回復させることが推奨されます。
肺炎
手術後に肺炎を発症すると、人工呼吸器による呼吸補助や抗生物質治療が必要になることがあります。
死亡率
肺がん手術で死亡するケースは稀ですが、術前の慎重な患者選択と術中管理が重要です。
日常生活への復帰
肺の機能が腫瘍以外で問題なければ、肺葉切除や全肺切除後でも徐々に通常の生活に戻ることが可能です。
