腹膜中皮腫の鑑別診断
症状
腹膜中皮腫は初期に症状がほとんど出ないため、進行した段階で診断されることが多いです。主な症状は腹痛、腹囲の増大、倦怠感、体重減少、消化不良などで、患者が医療機関を受診するほど重症ではないことがあります。その他、腹部腫瘤、腹部膨満、貧血も見られます。症状が非特異的であるため、他の疾患で受診した際に偶然発見されることもあります。
鑑別が必要な疾患
石綿(アスベスト)に曝露した患者では、腹膜中皮腫が胸膜中皮腫や心膜中皮腫と区別しにくいことがあります。また、腹膜癌転移(腹腔内に多数の小腫瘍ができる状態)も症状が類似しています。
CT検査(コンピュータ断層撮影)
腹部の症状がある患者はCT検査で異常が検出されやすいですが、胸膜中皮腫が腹膜へ転移した場合、CTだけでは最初の発症部位を区別できません。
超音波検査(エコー)
CTと併用してエコー検査が行われます。エコーは腹水(腹腔内の液体)を確認でき、腹膜癌転移では大量の腹水が認められるのに対し、腹膜中皮腫では比較的少量の腹水が見られます。
穿刺吸引生検
腹水を針で採取し、顕微鏡で細胞診断を行うことで腹膜中皮腫の確定診断が可能です。ただし、採取できる液量が不足すると鑑別診断が不十分になることがあります。
開腹手術(ラパロトミー)
穿刺吸引が不十分な場合、開腹手術で直接腹腔内を観察し、腹水や異常組織を採取します。侵襲は大きいものの、組織診断により確実な鑑別が可能です。
