中皮腫(メソテリオーマ)治療
メソテリオーマは、肺や体の他部位の中皮膜(メソテリウム)に発生するがんです。中皮膜は臓器を保護する膜で、90%以上のケースはアスベストへの曝露と吸入によって引き起こされます。曝露からがんが発症するまでには数十年かかることがあります。治療法には手術、放射線療法、化学療法がありますが、完全に治すことは難しく、主に症状の管理と寿命の延長を目的としています。
手術
手術は、がんの根治を目指す場合と、症状緩和や生活の質向上を目的とする場合があります。2009年以降、早期診断のための検査が開発されつつあり、将来的には根治手術の機会が増える可能性がありますが、現在は緩和目的の手術が主流です。手術の主な方法は、胸膜癒着術(Pleurodesis)、胸腔穿刺(Thoracentesis)、胸膜切除術(Pleurectomy)の3つです。
- 胸膜癒着術(Pleurodesis):タルクを胸腔内に注入し、液体がたまらないように胸膜を癒着させる手術です。
- 胸腔穿刺(Thoracentesis):細い針を用いて胸腔内の液体を排出します。
- 胸膜切除術(Pleurectomy):胸膜を一部または全部切除し、液体貯留を防ぎます。
放射線療法
放射線は主に緩和ケアとして用いられ、手術が困難な患者に推奨されます。通常、週5回、約5週間にわたって外部ビーム放射線(高エネルギーX線ビーム)を肺に照射し、がん細胞を死滅させます。
化学療法
多くの患者に対しては、胸腔内(胸膜内)または腹腔内(腹膜内)に直接投与する局所化学療法が行われます。これは、全身静脈注射による化学療法よりも効果的とされています。主に使用される薬剤は、アルムタ(Pemetrexed)とシスプラチンです。放射線や手術と同様に、化学療法はがんの増殖を抑制し、生活の質と寿命を延ばすことを目的としています。
