胸膜中皮癌における漿液貯留が呼吸器症状に与える影響
胸膜中皮癌で過剰に産生される漿液が胸腔にたまり、さまざまな呼吸器合併症を引き起こします。
主な呼吸器合併症
肺の膨張障害
胸腔内の液体が肺を圧迫し、吸気時に肺が十分に膨らまなくなります。その結果、制限性肺疾患となり、息切れや胸部の圧迫感が生じます。
胸水貯留
液体が増えると胸水が形成され、特に仰向けになると呼吸が困難になります。
肺の虚脱(無気肺)
重度の場合、液体圧により肺が部分的または完全に虚脱し、ガス交換が著しく低下し、重篤な呼吸困窮を招きます。
肺機械的特性の変化
胸水により肺の弾性やコンプライアンスが低下し、呼吸に必要な労力が増加します。
呼吸筋の負担増大
肺圧迫と胸水の蓄積は呼吸筋の動きを制限し、十分な呼吸筋力が得られなくなります。
低換気(低換気症候群)
上記の要因が重なると、十分な換気が行えず、低酸素血症や高炭酸ガス血症を引き起こします。
治療と管理
胸水の管理が最重要です。胸腔穿刺による排液や胸管留置による連続排液、さらに根治的治療や症状緩和のための薬物療法が行われます。適切な医療介入により、呼吸機能の改善と合併症の予防が可能です。
