ステージIII・IVの頸部がん治療
頸部がんとは
頸部がんは喉や気管、声帯(喉頭)、咽頭(鼻腔と口腔がつながる部分)に発生するがんの総称です。甲状腺腫瘍や皮膚、筋肉、骨のがんは別カテゴリに分けられます。
ステージIII・IVの特徴
がんの「ステージ」は診断時の進行度を示す指標です。頸部がんは部位ごとにステージング基準は異なりますが、一般的にステージIIIは腫瘍が大きくなり近くのリンパ節へ転移している、または治療が難しい段階を指し、ステージIVは周囲組織への浸潤、広範なリンパ節転移、または遠隔転移(他臓器への転移)を伴います。ステージIVは最も治療が困難で、生存率は原発部位により大きく異なります。
治療法
手術
ステージIII・IVではリンパ節や周囲組織への浸潤が多いため、手術は腫瘍だけでなく領域リンパ節の切除を含むことが一般的です。口腔外科、耳鼻咽喉科、形成外科の専門医が協働し、外観や機能の回復を目指します。手術後は頸部や喉の感覚が鈍くなることや、腫れ、嚥下・会話障害が起こりやすく、必要に応じて言語療法が行われます。
放射線療法
放射線は主に手術後に実施されます。術後の組織は回復力が低下しているため、術前に照射すると創傷治癒が阻害される恐れがあります。放射線は手術で残ったがん細胞や多くのリンパ節転移を制御する目的で用いられます。
化学療法
化学療法は単独で選択されることは少なく、他の治療と併用して効果を高めます。疼痛緩和や腫瘍縮小が期待でき、シスプラチン、フルオロウラシル、ブレオマイシン、メトトレキサートなどが使用されます。ただし効果は一時的で、平均して約3か月程度の改善が見込まれます。
治療選択のポイント
各治療法の副作用を考慮することが重要です。化学療法は嘔吐、脱毛、免疫抑制による感染リスクが高く、放射線療法は唾液腺障害による口腔乾燥や歯の問題を招くことがあります(IMRTなどの先進技術でリスクは低減)。手術は嚥下や発声に影響を与えることがありますが、術後リハビリで機能回復が可能です。ステージIII・IVの頸部がんは局所的ながんに比べ治療が難しいものの、適切な多職種チームによる包括的治療で管理・制御・治癒が期待できます。医療情報はあくまで一般的な解説であり、個別の診断・治療は必ず主治医にご相談ください。
