多発性骨髄腫に対する全身酵素療法

全身酵素療法とは

補完・代替医療の一環として行われる全身酵素療法は、植物や動物由来の酵素サプリメントを摂取し、体内で生成される酵素の働きを補強することを目的とします。酵素は消化や栄養吸収を助け、免疫機能の維持に関与するとされています。加齢に伴い体内酵素の産生が低下すると、サプリメントでの補充が必要になるという考え方です。

なぜ注目されにくいのか

米国では全身酵素療法の認知度が低く、医療界からの関心も薄いです。内科医のジム・ハウエンスタイン博士は、主に東アジアやヨーロッパで発展した治療法であること、そして酵素は特許が取得できないため製薬企業の投資対象になりにくいことが理由と指摘しています。

効果のエビデンス

ウィーン大学がん研究所のルチア・デッサー博士がまとめた欧州の臨床研究によると、全身酵素療法と化学療法を併用した多発性骨髄腫患者の平均生存期間は83か月で、化学療法単独の47か月に比べて有意に長くなっています(全265例、酵素併用群166例、化学療法単独群99例)。

米国がん協会(ACS)の見解

ACSは現在、酵素サプリメントががん治療に有効であるという科学的根拠は不十分としています。米国内での併用療法に関する研究は進行中ですが、現時点では「利用可能な証拠は酵素サプリメントが癌治療に効果的であることを支持しない」と結論付けています。

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