神経芽細胞腫の原因とは
神経芽細胞腫は、首・胸・腹部・骨盤の神経組織に発生しますが、最も一般的な原発部位は副腎です。副腎以外では腹部や胸部に多く見られます。小児癌で2番目に多く、5歳以上の患者は全体の約10%です。原因は現在も不明です。
生物学的起源
全ての癌は、細胞の増殖を制御できなくなる変異から始まります。神経芽細胞腫は胎児期の未成熟な神経細胞(神経芽細胞)に由来します。通常、神経芽細胞は出生までに副腎の神経細胞へと成熟しますが、出生後に成熟しなかった細胞が残ると腫瘍となります。
遺伝的要因
神経芽細胞腫の約1%は遺伝的要因が関与するとされています。2009年の研究で、DNAのコピー数変異が子どもの発症リスクを2倍にすることが示されました。また、MYCN遺伝子の過剰発現はマウスで腫瘍を誘発し、患者の約3分の1で高レベルが認められ、予後不良と関連しています。
親の要因
発症年齢が幼いため、受精・妊娠中の環境が影響すると考えられます。職業上の化学物質曝露、喫煙、アルコール、妊娠中の薬剤使用、感染などが検討されていますが、確固たるエビデンスはありません。
環境要因
1978年の研究では除草剤クロルダンがリスクを高めると報告され、2001年の疫学調査でも家庭内農薬使用が発症リスクを約60%上昇させると示されました。現在は使用が制限されているものの、環境因子への関心は続いています。
予後と治療
原因は不明ながら、予後は年齢と病期に大きく依存します。1歳未満で診断された子どもの90%は良好な結果を得ますが、2歳以降に診断されると進行した高リスク段階となり、化学療法・放射線・幹細胞移植が必要です。残念ながら、全体の約2/3が致命的です。大学や研究機関では原因解明と新治療法の開発が進められています。
