子宮体膜間質肉腫(ESS)とは何か
子宮体膜間質肉腫(Endometrial Stromal Sarcoma、略称ESS)は、女性の子宮内膜に発生する稀な悪性腫瘍です。診断後の治療は困難ですが、子宮全摘出術や放射線療法、プロゲステロン療法などが行われ、患者の予後改善が期待されています。
ESSの概要
間質肉腫という名称は、子宮内膜の結合組織(間質)にできる肉腫を指します。軟部組織肉腫全体の約40%が四肢に、残りが体内の他部位に発生するとされていますが、ESSは子宮内膜に限定した形態です。
発症率と主な症状
子宮からの疼痛や不正出血はESSの代表的な兆候です。ハーバード大学医学部の放射線科によると、発症は主に42歳から59歳の女性に多く見られますが、年齢や人種を問わず起こり得ます。リスク要因は明確ではありませんが、ホルモンバランスの乱れが関与している可能性があります。
低悪性度と高悪性度の分類
低悪性度(Low‑grade)と高悪性度(High‑grade)の二つに大別されます。どちらも子宮内膜を超えて広がることがありますが、高悪性度型は子宮外へ浸潤し、近傍組織やリンパ系へ転移しやすいとされています。
エストロゲン過剰との関連
閉経前後の女性でエストロゲンが過剰になる「無拮抗エストロゲン」の状態は、ESSの発生リスクを高めると考えられています。エストロゲン濃度が高いと子宮体膜癌の発生率が上昇することが報告されており、プロゲステロン投与によるホルモンバランスの調整が予防や治療に有効とされています。
研究の現状と課題
ESSは極めて稀な腫瘍であるため、研究資金や臨床試験が限られています。国際がん研究ジャーナルは、原因解明と新たな治療法開発のためにさらなる研究が必要と指摘しています。現時点では予後は不良で、長期生存率は低いとされています。
治療とサポート
主な治療は子宮全摘出術に続く放射線療法です。プロゲステロン療法も併用されますが、効果は個人差が大きく、再発リスクが残ります。患者本人と家族の精神的サポートとして、サポートグループやカウンセリングの利用が推奨されています。
