がんは遺伝性疾患になることがあるのか?
遺伝性がんとは
がんの約5〜10%は遺伝的要因によるものです。親から子へ受け継がれる遺伝子変異により、特定のがんリスクが高まりますが、変異を持っていても必ずがんになるわけではありません。生活習慣や環境要因も影響します。
主な遺伝性がんの例
1. 乳がん・卵巣がん
BRCA1・BRCA2遺伝子の変異は、乳がんや卵巣がんのリスクを大幅に上昇させます。これらの遺伝子はDNA修復に関与しています。
2. 大腸がん(Lynch症候群)
Lynch症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん、HNPCC)は、DNAミスマッチ修復遺伝子の変異が原因です。大腸がんだけでなく、子宮体がん、胃がんなどのリスクも高まります。
3. 卵巣がん
BRCA1・BRCA2に加え、TP53やRAD51D遺伝子の変異も卵巣がんリスクを増加させます。
4. 膵臓がん
BRCA2、CDKN2A、PALB2などの遺伝子変異が膵臓がんのリスクと関連しています。
5. 前立腺がん
HOXB13やBRCA2の特定変異が前立腺がんリスクを高めます。
6. 網膜芽細胞腫
RB1遺伝子の変異により、子どもの目のがんである網膜芽細胞腫は高度に遺伝性です。
遺伝子検査とカウンセリングの重要性
家族に特定がんの既往がある場合、遺伝カウンセリングを受けて遺伝子変異の有無を確認することが推奨されます。遺伝子検査の結果は、個別のスクリーニングや予防策、治療方針の決定に役立ちます。
