がん患者で膵臓を切除する理由とは?
膵臓は、消化酵素の産生や血糖値の調整など、体内で重要な役割を果たす臓器です。しかし、がんが進行した場合、膵臓の切除が必要になることがあります。その主な理由を以下にまとめました。
1. 局所膵臓がん
がんが膵臓に限局しており、他の臓器へ転移していない場合、がん組織を除去するために膵臓の一部または全体を手術で切除します。これにより、がんの拡散を防ぎ、生存率の向上が期待できます。
2. 進行膵臓がん
がんが膵臓以外に転移している場合でも、症状緩和や生活の質向上を目的に膵臓を切除することがあります。根治的手術は難しいものの、疼痛や消化障害、ホルモンバランスの乱れをコントロールできます。
3. 合併症や再発
膵臓がんによる合併症や再発が起こったとき、膵臓切除が検討されます。例えば、腫瘍が胆管を圧迫して黄疸や肝障害を引き起こす場合、膵臓と胆管の再建手術が必要です。また、他の治療が効果を示さない再発例でも手術が選択肢になることがあります。
4. 痛みの管理
薬物療法や他の処置で疼痛が十分にコントロールできない場合、膵臓切除が疼痛緩和手段として行われます。これにより、患者の生活の質が向上します。
5. 遺伝性リスクの低減
家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)や遺伝性膵炎など、膵臓がんの発症リスクが高い遺伝性疾患を持つ人は、予防的に膵臓を切除することが検討されます。
膵臓切除の決定は、がんのステージ、患者の全身状態、個別の事情を総合的に評価したうえで、外科医、腫瘍内科医、放射線科医など多職種チームが協議して行われます。
