PSA検査で数値が高くなる原因とは
PSA(前立腺特異抗原)検査は、前立腺で産生されるタンパク質の量が過剰でないかを調べる血液検査です。PSA値が4 ng/mL以上になると異常とされ、前立腺がんの可能性が示唆されますが、PSAの上昇はがんだけが原因ではありません。以下に、PSA値を上げやすい主な疾患と対処法を紹介します。
良性前立腺肥大(BPH)
加齢に伴い前立腺が自然に大きくなる良性前立腺肥大は、PSA上昇の最も一般的な原因です。前立腺が肥大すると尿道や膀胱を圧迫し、排尿障害が起こります。この刺激により前立腺が余分なタンパク質を放出し、PSA値が上がります。BPHは薬物療法や生活習慣の改善でコントロールできることが多いです。
急性尿路感染症
高齢男性が急性の尿路感染症にかかると、PSA値が一時的に大幅に上昇します。感染が確認された場合は抗生物質で治療し、治癒後6週間程度で再検査を行います。多くの場合、感染が解消すればPSAは正常範囲に戻ります。
前立腺手術後
前立腺全摘術や部分摘出術を受けた後でも、数年後にPSAが再び上昇することがあります。これはがんの再発を意味する場合もありますが、必ずしもそうとは限りません。医師は以下の3つの指標で再上昇の原因を評価します。
- 術前のグリソンスコアと手術後の病理結果
- 手術後のPSA上昇までの経過時間
- PSAの倍増期間(PSA doubling time)
たとえば、手術後2年でPSAが高いままで、10か月以内に倍増した場合、3年以内に転移性がんになる確率は約5%以下と低く評価されます。
以上のように、PSA値の上昇は前立腺がん以外にも様々な要因で起こります。異常値が出た際は、まずは原因となり得る疾患の有無を確認し、必要に応じて適切な治療や再検査を受けることが重要です。
