前立腺がん手術に伴うリスクと注意点

前立腺がんの治療で最も一般的に選択されるのは、根治的前立腺摘除術(前立腺手術)です。手術による治癒率は高く、術後の副作用も多くは一時的です。しかし、稀ながら重篤な合併症が起こる可能性もあるため、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。

出血

  • 最新の手術機器を使用しても、前立腺手術中に出血が起こる確率は約2〜3%です。まれに輸血が必要になることがあるため、手術前に自分の血液を2パイント程度備蓄しておくと安心です。

    血小板は約10日で入れ替わるため、手術前はアスピリンやビタミンEなど血液凝固を遅らせるサプリの摂取は控えるよう指示されます。

尿道狭窄

  • 前立腺摘除術では尿道を切断し再接合しますが、再接合部に瘢痕組織ができると尿の流れが悪くなります(尿道狭窄)。手術後4〜6週頃に起こりやすく、排尿困難や残尿感、失禁の原因になることがあります。

    患者の10〜20%が狭窄を経験すると報告されており、治療法としては金属製カテーテルで尿道を拡張する方法や、内視鏡による切開が選択されます。

腎盂閉塞

  • 手術中に腎臓から膀胱へつながる細い管(尿管)が切れたり縫合に巻き込まれたりすることがあり、1,000例中約2例で起こります。症状が出る場合もありますが、無症状でも腎機能障害を引き起こす恐れがあるため、早期の外科的処置が必要です。

尿路瘻

  • 膀胱と尿道の再接合が不完全な場合、尿が漏れ出す尿路瘻が生じることがあります。瘻ができると瘢痕化し、失禁リスクが高まります。

死亡リスク

  • 65歳未満の男性が根治的前立腺摘除術を受けた場合の死亡リスクは約1/1,000です。全国のすべての手術に比べるとやや高く(1/3,000)、高齢者や基礎疾患を持つ患者ではリスクが上昇します。

その他のリスク

  • 術後30日以内に起こり得る重篤な合併症として、肺塞栓、静脈炎、尿路感染、不整脈、心筋梗塞などがあります。また、全身麻酔に伴う肺炎や、術部の創感染は約1〜2%の患者で見られます。

    神経温存手術ができないケースでは、永久的な勃起不全になる可能性もあります。

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