前立腺がん治療の比較

前立腺がんの治療は、がんの進行度や転移の有無、患者の年齢・全身状態に応じて選択されます。主な治療法は手術、放射線治療、ホルモン療法、経過観察(待機的観察)などがあり、それぞれに利点とリスクがあります。以下では各治療法の概要とメリット・デメリットを比較します。

根治的前立腺全摘除術(ラジカル前立腺全摘除)

前立腺全摘除術は、前立腺全体と近くのリンパ節を外科的に除去する手術です。手術後は2〜3週間、膀胱から尿を排出するためにカテーテルが留置されます。がんが完全に除去できれば根治が期待でき、長期的な成功率が高い点がメリットです。入院期間は比較的短く、手術自体のリスクは低いとされていますが、勃起不全や尿失禁のリスクがあります。特に70歳以上の患者では勃起不全になる確率が高く、50歳以下では比較的少ないと報告されています。

放射線療法

放射線療法は外部ビーム放射線と体内照射(シード治療)の2種類があります。外部ビームは高エネルギーX線を体外から照射し、シード治療は放射性ペレットを前立腺内に直接埋め込む方法です。治療期間は週5回、計7週間が一般的で、外来で行われ麻酔は不要です。副作用は比較的軽く、治療後2年以内に約50%の男性が勃起不全を経験し、15〜30%が尿の違和感を訴えます。手術と比較すると、前立腺が残るため再発リスクはあるものの、10年後の治癒率は手術と同等とされています。

経過観察(待機的観察)

腫瘍が小さく成長が遅い場合、特に高齢者では積極的な治療を行わず、定期的に医師の診察とPSA(前立腺特異抗原)検査で経過を観察する方法があります。治療の副作用を回避したい、またはがんが進行する前に他の疾患で死亡するリスクが高い患者に適しています。ただし、腫瘍の増殖速度は初期には判定しにくいため、定期的な検査が不可欠です。腫瘍が拡大した場合はホルモン療法や他の治療へ切り替えることが検討されます。

ホルモン療法

ホルモン療法は、テストステロンなどの男性ホルモン(アンドロゲン)の産生を抑制し、がん細胞の増殖を抑える治療です。注射によるホルモン剤投与や、外科的に精巣を除去する方法があります。主に転移性で手術や放射線で除去できないケースに使用され、初期には腫瘍が縮小しますが、1〜2年で効果が減衰することが多いです。

凍結療法(クライオセラピー)

凍結療法は、前立腺を凍結してがん細胞を破壊する方法です。手術の代替として行われますが、長期的な生存率は手術や放射線に比べて低く、一般的にはあまり選択されません。

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