蛍光灯アレルギー
1960年代から職場で普及してきた蛍光灯は、近年では家庭でも広く使われるようになりました。ねじ込み口のコンパクト蛍光灯が普及し、エネルギー節約の選択肢として多くの住宅が導入しています。しかし、蛍光灯の光に対して過敏に反応する人も少なくありません。頭痛や皮膚のかゆみといった症状は、既存の疾患がある人で光にさらされることで悪化することがあります。
頭痛
蛍光灯に対する最も一般的な苦情は頭痛です。実際にはアレルギーというより、蛍光灯内部のリン光体が発する肉眼では捉えにくい微細な点滅が原因とされています。この点滅は目の周辺部で感知され、軽度から中等度の頭痛を引き起こします。
また、蛍光灯特有の光は視覚負荷を高め、暗所感度症候群(SPS)を持つ人の目の疲れを増幅させます。SPSの患者は文字や風景がぼやけたり二重に見えることがあり、蛍光灯の光がその症状を悪化させます。
皮膚刺激
皮膚の発疹も蛍光灯に対する一般的な反応です。医学的な「アレルギー」ではありませんが、皮膚炎や乾癬、狼瘡(ループス)などの既往症がある人は、長時間蛍光灯にさらされることでかゆみや発疹が悪化することがあります。英国皮膚科学会は「蛍光灯は皮膚炎、湿疹、光感受性、ポルフィリン症、色素欠損症などの症状を悪化させる」と報告しています。
家庭での対策
家庭や個人オフィスでは、白熱灯や自然光への切り替えが有効です。白熱灯は蛍光灯に比べて光の点滅がなく、皮膚や神経系への影響が報告されていません。窓からの自然光を取り入れることも、症状緩和に役立ちます。
職場での対策
学校やオフィスなど、照明を自分で選べない環境では、定期的に外の自然光を浴びることが推奨されます。多くの企業が1日2回、15分程度の休憩時間を設けているため、その時間を利用して屋外に出ると、頭痛やかゆみが軽減されます。継続的に外光を浴びることで、照明による症状が徐々に減少するという報告もあります。
世界的な課題
温室効果ガス削減の観点から、エネルギー効率の高い蛍光灯の導入が進められています。米国や英国をはじめとする多くの国が白熱灯の使用禁止を検討していますが、英国だけでも約10万人が蛍光灯による健康問題を抱えていると推定されています。こうした現状を踏まえ、政策決定者が代替照明の健康影響を考慮することが求められます。
