アデノイド手術の代替療法と考慮すべき点
アデノイドは喉の奥にある小さなリンパ組織で、幼児期に細菌やウイルスと戦う役割があります。思春期に近づくと自然に縮小し、成人になるとほとんど消失します。そのため、年齢が上がるにつれて重要性は低下すると考える医師もいます。慢性的なアデノイドの問題は手術が一般的な治療法ですが、手術以外にもいくつかの代替手段があります。
手術が推奨される理由
頻繁な感染でアデノイドが腫れると、気道が狭くなり口呼吸やいびき、睡眠時無呼吸を引き起こすことがあります。また、耳管がふさがれると中耳に液体がたまり、いわゆる膠様中耳(グルーイヤー)となり、痛みとともに聴力低下を招くこともあります。アデノイド切除術(アデノイド切除)は、これらの症状を根本的に解消し、耳の感染頻度や風邪の影響を軽減します。
手術が適さないケース
すべての手術にはリスクが伴います。麻酔への稀な副作用や術後出血・感染の可能性は極めて低いものの、出血傾向のある血液疾患や全身麻酔が禁忌となる基礎疾患がある場合は手術は推奨されません。また、軟口蓋が低い(軟口蓋裂)場合、アデノイドを除去すると鼻から食べ物や飲み物が逆流しやすくなるため、事前に専門医の診断が必要です。
手術を行わない場合
2023年時点で、慢性アデノイド炎の根本的な治癒法は手術のみとされています。しかし、子どもは成長とともにアデノイドが自然に縮小します。12〜13歳頃には多くのケースでアデノイドが消失し、関連症状も自然に改善します。
抗生物質の使用
感染による腫れを一時的に抑えるために抗生物質が処方されることがありますが、頻繁に使用すると耐性菌の増加リスクが高まります。長期的にアデノイド組織内の感染を根絶することは難しく、効果は限定的です。
ステロイド点鼻薬
ロンドンENT外科医会の報告によると、ステロイド点鼻薬は一部の子どもでアデノイド腫脹を軽減し、症状改善に役立ちます。主な薬剤はベクロメタゾン(Beconase AQ®、Vancenase DS AQ®)、フルチカゾン(Flonase®)、トリアムシノロン(Nasacort AQ®、Nasacort®)、フルニソリド(Nasarel®)、モメタゾン(Nasonex®)、ブデソニド(Rhinocort®)などです。処方に従って正しく使用すれば安全ですが、医師の診断が必要です。
使用上の注意点
ステロイド点鼻薬は根本的な治療法ではなく、使用を中止すると再び腫れが生じることがあります。長期使用でも重大な健康リスクは報告されていませんが、鼻や喉の刺激感、頭痛、鼻血、くしゃみ、鼻汁、胃部不快感などの副作用が出ることがあります。症状が続く場合は医師に相談してください。
警告
Mayo Clinicは、オーバー・ザ・カウンターの血管収縮性点鼻薬(例:Afrin)を長期使用することを推奨していません。継続使用はリバウンド性鼻閉を引き起こし、症状が悪化します。アデノイド腫脹の治療には、必ず医師処方のステロイド点鼻薬を使用してください。
