アルツハイマー病の進行段階

アルツハイマー病は認知症の一種で、認知機能、行動、感情が徐々に低下します。進行度を把握するために段階が設定されていますが、各段階の期間は個人差があります。段階はあくまで目安で、理解を深め、今後のケア計画に役立てるためのものです。

定義

神経細胞の損傷が進むにつれて症状が現れます。米国国立老化研究所は「早期」「軽度」「中等度」「重度」の4段階に大別し、NYUのバリー・ライスバーグ医師が提唱した「機能評価段階尺度(FAST)」では7段階に細分化しています。

ステージ1・2(初期)

ステージ1

アルツハイマー病がまだ診断されない段階です。神経細胞の損傷はあるものの、症状がほとんど現れず、医師の診察でも異常は見つかりません。

ステージ2

ごく軽い低下が見られますが、医療従事者や家族にはほとんど気付かれません。鍵の置き場所が分からない、昔覚えていた言葉や名前が思い出せないといった軽度の忘却が典型的です。

ステージ3(早期)

この段階でアルツハイマー病と診断されることがあります。友人や家族が変化に気付き、検査でも異常が確認されます。日常の簡単な作業がうまくできなくなり、整理整頓ができない、愛する人や大切なものの名前を忘れることが増えます。

ステージ4(軽度)

医師や家族が明確に異常を認識できる段階です。代表的なテストである「100から7ずつ引く」計算ができなくなることがあります。最近の出来事を思い出せない、コーヒーを淹れる、洗濯するなどの習慣的作業が困難になり、難しい状況からは自ら離れようとします。

ステージ5(中等度)

運動制御に関わる神経細胞の損傷が進み、日常生活の補助が必要になります。記憶や認知機能の顕著な低下が見られ、場所や時間の感覚が混乱し、簡単な計算や自宅の電話番号さえ忘れることがあります。

ステージ6(中等度〜重度)

記憶障害がさらに深刻化し、人格の変化や行動の異常が顕在化します。服薬やトイレなどの基本的な身の回りの動作に介助が必要です。場所が分からず徘徊したり、家族や知人に対して強い疑念や妄想、幻覚(実際には存在しないものが見える・聞こえる)を示すことがあります。指示に従わず怒りっぽくなることもあります。

ステージ7(重度・末期)

神経細胞の壊死が極度に進行し、言語・運動・感覚のすべてが失われます。自力で食事ができず、失禁が起こり、言葉はほとんど話せません。ベッドから起き上がれず、最終的には嚥下障害により食事が摂れなくなり、寝たきりの状態となります。

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