アルツハイマー病に対するナイアシン治療の可能性

ナイアシンとは

ナイアシン(ビタミンB3、ニコチン酸)は、かつてペラグラというビタミン欠乏症の治療に広く用いられてきました。ペラグラの主な症状には下痢、皮膚炎、そして認知症があります。現在では、ナイアシンが脳の強力な抗酸化作用を持ち、コレステロール低下にも寄与することが分かっています。

ラッシュ研究所の調査結果

シカゴのラッシュ・インスティテュート・フォー・ヘルス・エイジングは、65歳以上の男女3,718人を対象に、ナイアシンを多く含む食事とサプリメント摂取が認知症予防に与える効果を5年以上にわたって追跡しました。対象者は、1日45 mgから17 mgまでのナイアシンを食事またはサプリで摂取する群に分けられました。

特に、1日あたり22.4 mgのナイアシンを補給したグループは、低摂取群に比べてアルツハイマー病になるリスクが約80%低減したことが報告されています。

アルツハイマー病への治療アプローチ

アルツハイマー患者はしばしば栄養不良やビタミン欠乏に陥りやすく、ナイアシンを含む高たんぱく・高ビタミンB食が重要です。具体的には以下の食品がナイアシンとたんぱく質の供給源として有効です。

  • 赤身肉、鶏肉、魚介類
  • 牛乳・ヨーグルトなどの乳製品
  • ピーナッツ、豆類
  • ほうれん草やケールなどの緑葉野菜
  • 全粒穀物や強化穀物
  • 乾酵母(ビール酵母)やコーヒー

食事だけで十分なナイアシンが得られない場合は、サプリメントでの補充が推奨されます。現在の日本人の推奨摂取量は、男性が1日16 mg、女性が14 mgです。ラッシュ研究所の調査では、1日17 mg以上のナイアシンを経口で補給すると、認知症関連の症状改善が見られるとされています。

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