アルツハイマー病の治療法
アルツハイマー病とは
アルツハイマー病は脳が萎縮し、タンパク質のプラークやタングルが蓄積する変性疾患です。進行性の認知症を引き起こし、日常生活の自立が困難になります。軽度〜中等度(発症から2〜10年)では、忘れやすく、請求書の支払いや予約管理ができなくなります。中等度〜重度(1〜5年)になると、混乱や方向感覚の喪失が進み、基本的な身の回りのケアすら困難になり、徘徊や暴力的な行動が見られ、最終的には寝たきりになることがあります。薬物で進行を遅らせることは可能ですが、根本的な治癒法は現在ありません。
薬物療法(軽度〜中等度)
コリンエステラーゼ阻害薬(エクセロン、アリセプト、レミニル)は、国立老化研究所が推奨する第一選択薬です。できるだけ早期に投薬を開始し、効果は個人差があります。副作用(吐き気、嘔吐、幻覚、偏執)が出た場合は中止することもありますが、症状の進行が遅くなるケースも報告されています。別薬のコグネックスは重篤な副作用があるため、使用はまれです。
薬物療法(中等度〜重度)
メマンチン(ナメンダ)はFDAが承認した中等度〜重度の治療薬です。コリンエステラーゼ阻害薬がアセチルコリンに作用するのに対し、ナメンダは過剰なグルタミン酸を抑制します。病状が進行するにつれ、両方の薬を併用することが一般的です。
抗精神病薬
一部の医師は激しい興奮や異常行動を抑えるために強力な抗精神病薬を処方しますが、イングランドでの研究(Alzheimer's Research Trust, 2009)では、抗精神病薬を使用した患者の24か月生存率はプラセボ群の半分にとどまりました。短期間の使用でも脳卒中や肺炎などのリスクが高まります。
行動・環境の調整
安全確保と行動管理が最も効果的な場合があります。具体的には、ドアにアラームやスライドロックを設置し、出口をシーツで隠す、定期的に散歩させて徘徊を防止する、危険な道具(ナイフ、はさみ)を除去する、部屋の整理整頓で混乱を減らす、選択肢を絞る、気をそらす手法や行動の引き金を把握する、といった対策です。
MediAlert 安全帰還プログラム
アルツハイマー協会とMedicAlertが提供する「安全帰還プログラム」は、徘徊患者の所在確認を支援します。本人が登録し、MedicAlertのIDブレスレットやペンダントを身につけることで、警察へ画像と情報が自動送信され、迅速な捜索が可能になります。
