股関節のトラブルと種類
股関節は体幹と脚をつなぐ球状関節で、比較的頑丈です。しかし、疾患や加齢、外傷により関節や骨が損傷することがあります。股関節の障害は、体の多くの動きがこの関節に関わるため、日常生活に大きな支障をきたします。治療は原因や患者の年齢・健康状態に左右されるため、整形外科医による専門的な診断が必要です。
股関節の肉離れ(ストレイン)
股関節周囲の腱や筋肉が伸びすぎたり、過度に使用されたり、直接的な衝撃を受けると肉離れが起こります。筋繊維が裂けることで、軽い違和感から激しい痛みまで様々です。主にアスリートや肉体労働者に多く見られます。氷冷や安静が回復を助けますが、早期に活動を再開すると二次的な損傷を招く恐れがあります。
股関節滑液包炎(バースティティス)
滑液包は関節をクッションするゼリー状の袋で、骨と関節の摩擦を減らします。滑液包炎はこの袋が炎症を起こす状態で、急激な痛みと股関節全体の鈍痛が特徴です。中高年で階段の上り降りやランニングなどの反復動作を行う人、片側だけに体重をかける姿勢や脚長差、リウマチ性関節炎などがリスクとなります。原因が多岐にわたるため、治療方針は医師と相談してください。
股関節脱臼
強い衝撃(交通事故や転倒など)により大腿骨が関節から外れると脱臼が起こります。関節がずれ、変形し、激しい痛みや神経障害を伴うことがあります。合併症がなければ、全身麻酔下で整復し、リハビリテーションが行われます。高齢者の場合、脱臼と同時に骨折など他の損傷が起きやすいです。
股関節骨折
外傷や加齢による骨密度低下で股関節の骨が折れることがあります。軽度の骨折でも股関節の動きや体位変換時に強い痛みが生じます。骨折の程度に応じて、安静・理学療法・手術(スクリュー固定など)といった治療が選択されます。主に高齢者や骨粗鬆症患者、ラグビーやアメリカンフットボールなどの激しいコンタクトスポーツを行う人に多く見られます。
