米国疾病予防管理センター(CDC)のデータによると、2010年時点で自閉症は約110人に1人の割合で子どもに見られます。予防接種と自閉症の関係は長年にわたって議論の的となってきました。子どもの予防接種を受けさせるべきか、また自閉症の子どもがワクチンによって引き起こされたのか、といった疑問は多くの保護者が抱える悩みです。

MMRワクチンと自閉症

自閉症研究所などが「原因」として指摘するワクチンは、MMR(麻疹・ムンプス・風疹)ワクチンです。過去にMMRワクチンにチメロサール(微量の水銀化合物)が含まれていたことから、これが自閉症を引き起こすのではないかという懸念が生まれました。

科学的見解

2008年に発表された『Action for Autism』のレビューによれば、科学・医療コミュニティはMMRワクチンと自閉症の間に統計的な相関関係を示す証拠を一切見つけていません。例外として挙げられるのは、1998年に『The Lancet』誌に自閉症とMMRワクチンの関連性を主張したアンドリュー・ウェイクフィールド博士の研究だけです。

アンドリュー・ウェイクフィールド博士

ウェイクフィールド博士は1998年にMMRワクチンが自閉症を引き起こすと結論付けた論文を発表しましたが、後に研究不正が明らかになり、英国の医師会(General Medical Council)から医学的資格を剥奪されました。彼の主張は現在、信頼できる科学的根拠とはみなされていません。

2009年最高裁判決

米国最高裁判所は2009年、予防接種と自閉症の因果関係を示す証拠がないことを確認し、ワクチン接種を継続すべきとの判断を下しました。

親がワクチンを非難し続ける現状

科学的根拠や最高裁判決にもかかわらず、いまだにワクチンと自閉症を結びつける声は根強くあります。例えば、著名人のジェニー・マッカーシー氏は「ワクチン接種後に子どもが自閉症になった」と主張していますが、これらの主張は実証的なデータに裏付けられていません。

総じて、現在の科学的コンセンサスは「MMRワクチンは自閉症の原因ではない」というものです。予防接種は感染症予防の重要な手段であり、正確な情報に基づいた判断が求められます。