ヘパリン投与手順と注意点
ヘパリンは血液凝固を防止する抗凝固薬で、脳卒中や心筋梗塞、静脈血栓症の予防に用いられます。皮下投与はインスリン注射と同様の手技で、腹部に行います。
投与前の確認
医師の処方指示と手元の薬剤が一致しているか確認します。低濃度ヘパリンは点滴ラインのフラッシュ用であり、注射用とは別です。患者の記録や最近の検査結果、前回の投与部位・時間も確認してください。
用量の準備
インスリン・結核菌用シリンジ、針、アルコール綿、使い捨て手袋を用意します。薬瓶の有効期限を確認し、開封後は施設の方針に従い30日以内に使用しなければなりません。処方量をシリンジに吸引し、薬剤・用量・投与時間を三重チェックします。皮下投与できる容量は1 ml未満です。
患者の準備
患者を確認し、手順を説明します。投与部位は臍部から最低5 cm離れた下腹部の前面が推奨されます。瘢痕、創傷、打撲部位は避け、手袋を装着し、アルコール綿で部位を拭きます。
投与の手技
薬剤が筋肉内に入らないように注意します。皮下脂肪層の厚さに応じて針の長さと刺入角度を決めます。一般的には25G・5/8インチの針を45°〜90°で刺入し、皮膚皺の厚さの半分程度が目安です。皮膚皺が2 cmなら90°、1 cmなら45°で刺入します。
薬剤の注入
親指と人差し指で皮膚を3 cm離してつまみ、皮膚皺を作ります。その頂点に針を入れ、針を動かさずにプランジャーを押し下げて投与します。針を抜く際は皮膚の保持を緩め、抜いた後はアルコール綿で軽く叩き、出血がある場合は最大3分間圧迫します。
投与後の処理
使用済みの針は鋭利物容器に廃棄し、手袋を外して手を洗います。患者の出血や青あざの有無を確認し、異常があればすぐに医師へ報告します。投与経過は患者記録に記載し、必要に応じて医師に連絡します。
