鎌状赤血球症(鎌状細胞性貧血)とは

米国国立衛生研究所(NIH)の推計によると、アフリカ系アメリカ人の約12人に1人が鎌状赤血球症の遺伝子保有者(鎌状形質)です。ただし、保有者全員が疾患を発症するわけではありません。鎌状赤血球症は赤血球の形が円形から半月形(鎌状)に変形する遺伝性疾患で、主にアフリカ系アメリカ人に見られます。

原因

  • ヘモグロビンの遺伝子変異により、通常のヘモグロビンAが異常なヘモグロビンSに置き換わります。ヘモグロビンSを持つ人は「鎌状形質」と呼ばれ、両親からそれぞれ遺伝子を受け継いだ場合に初めて鎌状赤血球症が発症します。両親が鎌状形質保有者の場合、子どもが病気になる確率は約25%です。

貧血の原因

  • 鎌状赤血球は形状が不安定で、通常の赤血球(約120日)の寿命が10〜20日と短くなります。その結果、骨髄は新しい赤血球を作り続けますが、供給が追いつかず貧血が生じます。

合併症

  • 貧血に伴う極度の疲労感や疼痛が起こります。鎌状赤血球が血管に詰まることで「疼痛クリーゼ」や血流阻害が起こり、脳卒中や腎・肝障害、胆石、重篤な細菌感染など多様な合併症を引き起こします。

寿命

  • 鎌状赤血球症は慢性疾患で、生涯にわたって管理が必要です。かつては子どもが成人まで生き延びることはまれでしたが、現在では40代・50代まで健康に生活する患者も増えています。

治療法

  • 予防と対症療法が中心です。葉酸などのビタミン・ミネラル補給や肺炎球菌ワクチンなどの予防接種で感染リスクを低減します。疼痛管理、定期的な輸血や骨髄移植により異常赤血球を減らし、輸血に伴う鉄過剰症は除去療法で対処します。また、鎌状赤血球の形成を抑える薬剤も利用されています。

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