患者が不適合な血液を輸血した場合に起こり得ること
不適合な血液を輸血すると、致命的になる可能性がある溶血性輸血反応が起こります。以下に主な経過と対処法を示します。
即時反応
輸血後数分から数時間以内に、寒気、発熱、不安感、息切れなどの症状が現れます。
溶血
受血者の血漿中にある抗体が輸血された赤血球を攻撃し、破壊(溶血)します。ヘモグロビンや細胞破片が血中に放出されます。
DICと腎障害
放出されたヘモグロビンや細胞破片が全身性血管内凝固(DIC)を誘発し、異常な血栓形成と出血が同時に起こります。これにより腎臓を含む臓器が損傷し、腎不全に至ることがあります。
脾腫大と黄疸
破壊された赤血球は脾臓で除去されるため、脾臓が腫大(脾腫大)します。また、肝臓で分解されたヘモグロビンからビリルビンが過剰に生成され、皮膚や眼球が黄染む黄疸が現れます。
腎不全・ショック
ヘモグロビンや細胞破片が腎細管に詰まり、急性腎障害を引き起こし、最悪の場合は腎不全に至ります。さらに、毒性物質の蓄積と血液量の減少により循環ショックが起こり、血圧が低下します。
治療
溶血性輸血反応が疑われたら、すぐに輸血を中止し、以下の対症療法を行います。
- 血行維持と腎保護のための静脈内輸液。
- 発熱やショックを抑える薬剤投与。
- 必要に応じてDICの治療。
- 重症例では、適合血液に置き換えるための交換輸血が行われます。
予防策
不適合輸血を防ぐためには、患者の正確な識別、徹底した血液型判定と交差適合試験、そして輸血プロトコルの厳守が不可欠です。
