言語処理に関与する脳の部位はどこですか?

はじめに

人間の言語は長らく、左半球の2つの主要領域、ブローカ野とウェルニッケ野が担うと考えられてきました。ブローカ野は発話(表出言語)を、ウェルニッケ野は読解・聴覚(受容言語)を司するとされますが、近年の研究はその区分が必ずしも明確でないことを示しています。

ブローカ野

ブローカ野は1861年にフランスの神経外科医ピエール・ポール・ブローカにちなんで名付けられ、左前頭皮質に位置します。声帯、舌、唇、横隔膜などの運動指令を出し、音声生成を担います。最新の研究では、単なる運動制御にとどまらず、言語全体の処理に広く関与している可能性が示唆されています。

ウェルニッケ野

ウェルニッケ野はドイツの神経学者カール・ウェルニッケの名前に由来し、側頭葉の後部に位置します。視覚や聴覚から情報を受け取り、言語を理解する役割を担います。例えば、音声入力を受けて単語とそれ以外の音を区別する機能があります。右利きの約90%、左利きの約70%の人で、左半球にこの言語回路が存在します。

最新の研究成果

2009年にカリフォルニア大学サンディエゴ校医学部で行われた研究では、ブローカ野が言語処理全体に大きく関与していることが示されました。研究者は頭蓋内電気生理学(ICE)を用いて、被験者が単語を繰り返したり、時制や活用形を変える課題を行う際の脳活動を記録しました。その結果、ブローカ野は単語の認識、文法的処理、発話準備までを一連のプロセスとして担っていることが明らかになり、従来の「受容言語はウェルニッケ野、表出言語はブローカ野」という区分は過度に単純化されていると結論付けられました。

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