ヒトの神経変性疾患

概要

神経変性疾患は、脳や脊髄のニューロンが徐々に失われる疾患群を指す総称です。記憶機能に影響するタイプと、運動機能に影響するタイプの大きく二つに分類されます。治療は患者ごとの症状や進行度に合わせて行われ、根本的な治癒は困難ですが、症状の進行を遅らせる薬剤やリハビリが用いられます。

病態と原因

神経変性は、ニューロン自体の死滅や、ニューロンを結ぶ軸索を覆うミエリン鞘の崩壊によって起こります。ニューロンは再生できないため、一度失われた機能は他の部位が代替するしかありません。原因は単一ではなく、タンパク質の異常蓄積が関与すると考えられています。特に、細胞内でタンパク質を正しく輸送する役割を持つ分子「ダイニン」が不足すると、毒性のあるタンパク質が蓄積し、ニューロンの機能障害を引き起こすとする研究があります。

主なタイプ

症状に基づき、以下の二つに大別されます。

  • 記憶障害を中心とした認知症型(例:アルツハイマー病)
  • 運動機能の低下を伴う運動障害型(例:パーキンソン病、ALS)

代表的な疾患例

  • アルツハイマー病
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS、ルー・ゲーリッグ病)
  • ハンチントン病
  • 多発性硬化症(MS)
  • パーキンソン病
  • 脳性麻痺(神経発達障害の一種として)

治療と対策

現在のところ多くの神経変性疾患は根本的な治癒が難しいとされていますが、症状の進行を遅らせる薬剤や、リハビリテーション、作業療法、言語療法などの非薬物療法が併用されます。個々の患者の状態や疾患の進行度に合わせて、最適な治療プランが策定されます。

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