破傷風の症状と治療法
破傷風は、Clostridium tetaniという細菌が産生する毒素によって、筋肉を制御する神経に障害を与え、呼吸困難や顎のロック(顎関節拘縮)・激しい筋痙攣を引き起こす重篤な感染症です。症状は軽度から重度まで様々で、治療には時間がかかり、必ずしも効果が保証されるわけではありません。
症状の潜伏期間
症状が出るまでの平均期間は約8日ですが、最短で3日、最長で3週間かかることがあります。感染直後に症状が現れることはほとんどありません。
痙攣(けいれん)
痙攣は破傷風の代表的な症状で、特に顎や顔面の筋肉に現れますが、腹部・胸部・背部の筋肉にも波及します。毒素が神経に広がるほど、影響を受ける筋肉が増え、痙攣は重度になることが多いです。
筋肉硬直
筋肉硬直も頻繁に見られ、顎の硬直が進行すると「顎関節拘縮(ロックジャウ)」が起こり、顎を開くことができなくなります。硬直は嚥下障害を招くこともあり、腹部・胸部・背部の筋肉にも影響します。
呼吸困難
呼吸に関わる筋肉が痙攣すると、呼吸が困難になります。この呼吸筋の痙攣はしばしば重度で、生命に危険を及ぼすことがあります。
その他の症状
痙攣や硬直に加えて、筋肉の過敏性や高熱が現れることがあります。筋肉の過敏性は強く、熱はかなり高くなることがあります。
治療
破傷風は重症例が多く、死亡リスクもありますが、適切な治療により完全回復する患者もいます。治療は主に抗毒素・抗生物質・ワクチン接種による薬物療法と、鎮静・人工呼吸器による支持療法の組み合わせです。場合によっては一時的に筋肉を麻痺させることもあります。多くの患者は集中治療室で長期間の管理が必要です。
